2025年6月3日、韓国では第21代大統領を選ぶ大統領選挙が行われる予定です。日本と地理的にも文化的にも近い韓国ですが、政治制度や選挙制度には日本と異なる点が多くあります。今回のブログでは、日本人の視点から韓国の大統領選挙についてわかりやすく紹介します。


    韓国の政治体制と大統領の役割

    韓国は大統領制を採用している国です。日本は議院内閣制で、内閣総理大臣が国会議員の中から選ばれるのに対し、韓国では国民が直接投票によって大統領を選びます。

    韓国の大統領は国家元首であり、行政府のトップ。つまり、内閣の長であると同時に国家を代表する存在でもあります。行政権を強く持っており、外交・国防・内政において広範な権限を有しています。

    また、大統領の任期は5年で再選は禁止されています。したがって、一人の人物が2期以上務めることはありません。この制度は、独裁や権力の集中を防ぐために設けられています。


    第21代大統領選挙のスケジュールと背景

    今回の大統領選挙は、現職の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の任期が2027年5月に終了するのに先立ち、憲法で定められたスケジュールに従って実施されるものです。ただし、日付に関しては想定であり、韓国の中央選挙管理委員会による正式発表を確認する必要があります。

    韓国では大統領選挙は通常、選挙日の70日ほど前に候補者登録が行われ、選挙運動期間に突入します。韓国国内では、与党・野党ともに次期候補者選びが活発になっており、選挙戦の熱気が少しずつ高まっています。


    韓国の大統領選挙のしくみ

    1. 選挙方式:直接選挙

    韓国では全国民による直接選挙によって大統領を選出します。単純多数制(一回の投票で最多得票者が当選)を採用しており、過半数の票を獲得しなくても最多得票であれば当選となります。決選投票制度はありません。

    2. 投票権

    投票権を持つのは、満18歳以上の韓国国民です。かつては19歳以上でしたが、2020年の公職選挙法改正によって18歳に引き下げられました。

    在外韓国人も一定の条件を満たせば投票可能で、日本に住む韓国人も在外公館で投票できる制度があります。

    3. 選挙運動

    選挙運動期間は法律で厳格に定められており、無許可の運動や虚偽情報の拡散には厳しい罰則が科されます。SNSも監視対象となり、ネット上の言論も選挙管理の対象となっています。

    候補者たちはテレビ討論、街頭演説、ポスター、ビラなどを使って支持を訴えますが、韓国では特にテレビ討論の影響力が大きく、視聴率も高い傾向があります。


    過去の大統領選挙から見る傾向

    韓国の大統領選挙は、保守系と進歩系(リベラル)の2大勢力が交互に政権を握る構図が長く続いてきました。

    主な過去の大統領

    • 盧武鉉(ノ・ムヒョン)(2003〜2008):進歩系。庶民派として人気を集めた。
    • 李明博(イ・ミョンバク)(2008〜2013):保守系。元ソウル市長で実務型リーダー。
    • 朴槿恵(パク・クネ)(2013〜2017):保守系。韓国初の女性大統領。のちに弾劾され退任。
    • 文在寅(ムン・ジェイン)(2017〜2022):進歩系。南北関係改善に尽力。
    • 尹錫悦(ユン・ソンニョル)(2022〜):保守系。元検察総長で、文政権を批判して当選。

    こうした流れからもわかるように、韓国では政治的な振れ幅が大きく、選挙のたびに政権交代が起こることも珍しくありません。

     


    日本との関係はどう変わる?

    韓国の大統領が交代すると、日韓関係にも少なからず影響があります。外交政策が変わる可能性があるためです。

    例えば、文在寅政権時代は歴史認識問題をめぐって日韓関係が冷え込みましたが、尹錫悦政権では対日関係改善が進められています。次期大統領の外交方針によっては、再び緊張関係になる可能性もあります。

    日本としては、韓国の選挙結果を注視する必要があります。

     

     

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